国内二大釣具メーカーのフライリール。ダイワのロッホモアSLA(3/4)とシマノのフリーストーンLA(3/4)を比較してみました。
アーバー径とドラグ性能
フライラインの巻き癖対策に
渓流用のフライリールには、10年前に買ったシマノのフリーストーンFV3をずっと使い続けています。
しかし、最近、フライラインの巻き癖が気になりだしたため、今更ながらラージアーバーリールというものを買ってみようと思い立ちました。
使いやすさが第一で、ブランドにはこだわりはないんですが、無難なところで国内二大釣具メーカー、シマノとダイワのものをチョイス。
カタログスペックの比較
現行モデルは、シマノがフリーストーンLA、ダイワがロッホモアSLA。渓流用の3番ロッドで使うので、サイズは一番小さい3/4です。
まず、WEBに載っているカタログスペックを見てみます。
スプール径 | スプール幅 | アーバー径 | 重さ | 糸巻量 | |
---|---|---|---|---|---|
フリーストーン LA 3/4 | 67mm | 21mm | ? | 115g | DT3F+50m |
ロッホモア SLA 3/4 | 85mm | 25mm | 56mm | 115g | DT3F+50m |
糸巻量の『+』以降は20lbバッキングラインの長さです。フリーストーンLAのアーバー径は載っていませんでした。重さ、キャパとも同じですが、大きさが違うようです。カタログに色は明記されていません。
※長らく続いたフリーストーン(FREESTONE)は無くなり、アスキス(Asquith)という高級ブランドになってしまいました。〔2018年7月 追記〕
※ロッホモア100Aは渓流用のコスパモデルです。SLAはこのまま廃盤になるのかな?〔2019年5月 追記〕
色と大きさ
左がロッホモアSLA、右がフリーストーンLA。どちらも3/4なんですが、ロッホモアSLAの方がだいぶ大きいですね。
色は、ロッホモアSLAがシャンパンゴールド、フリーストーンLAはダークブラウンといったところ。
スプール幅はロッホモアSLAの方が少しだけ広いです。
アーバー径はロッホモアSLAの方がかなり大きいです。
同じラージアーバーですけどアーバー径が全然違います。ロッホモアSLAはカタログ通りの56mm。フリーストーンLAは40mm〈実測)でした。
ロッドとのバランス
小さめのリールに慣れているんで、少し大きく感じます。偶然にもリールシートと色が同じ。
大きさ的にはこっちの方がしっくり来るかも。
重さは同じ115gなのに、大きさが違うので、握った感覚が微妙に違います。重心? それてとも錯覚?
スプールまわり
小さいレバーをスライドさせるとスプールを外すことができます。
真ん中のボタンを押すだけで外れます。さすがシマノです。
シマノのフリーストーンLAでは、ロッホモアSLAと同じような小さいレバーだったんですけど、ボタンに進化しています。
巻き取り方向は、フリーストーンLAが右巻きですが、ロッホモアSLAは最初から左巻きになっています。もちろん、両製品とも、左右どちらにも変更可能です。
あと、フリーストーンLAはラインの引き出し時に軽快な音がなるのに対し、ロッホモアSLAは巻き取り、引き出しとも無音です。
昔のロッホモアXシリーズがあまりにもうるさかったんで、改良したんでしょうか。
ドラグ性能
渓流では、ほとんどドラグを使うことはないんですが、たまにニジマスが釣れるところにも行くので、性能が高ければ安心できます。ロッホモアSLA、フリーストーンLA、どちらともディスクドラグです。
ドラグ性能はフリーストーンLAの方が一枚上手かと思いますが、ロッホモアSLAも悪くはありません。微妙な調整もできますし、調整幅も広めです。ドラグつまみはフリーストーンの方が少し大きいですね。
重要なのはスプール径
ここまで来て、重要なことに気がつきました。
それは、巻き癖対策に重要なのはアーバー径ではなく、スプール径だということ。
スプール径が同じであれば、ラージアーバーでもスモールアーバーでも、フライラインの巻き癖の付きにくさに変わりはありません。違うのは、ラージアーバーの方がバッキングラインが少なくて済むということだけです。
ラージアーバーの利点として知られている、巻き取りの速さも同様です。バッキングラインを含めたフライラインの巻き径が同じであれば、速度に違いはありません。
独断と偏見による採点
S、A、B、C、Dの5段階評価で採点してみました。
巻き癖対策 | 剛性 | ドラグ性能 | 静音 | バランス | |
---|---|---|---|---|---|
フリーストーン LA 3/4 | D | S | S | C | A |
ロッホモア SLA 3/4 | A | C | A | S | C |
巻き癖対策
フリーストーンLAのスプール径って、これまで使っていたFVとほとんど同じなんですよね。これだと、巻き癖対策にはなりません。
一方、ロッホモアSLAだと、ギリギリまでバッキングラインを巻いたときの、DT-3Fのハーフカット(42.5’)の巻き径は6.5mm強になりました。これは、フライラインの空スプールの内径とほとんど同じです。
剛性
フリーストーンLAは、肉厚で、かなりガッシリしています。ロッホモアSLAは、薄っぺらいです。
バランス
バランスの好みなんて、人それぞれ。この評価は、完全に私の主観です。
もっと大きくても
今回、重要視しているのは、巻き癖の付きにくさなんで、ロッホモアSLA(3/4)を使うことにしました。残念ながら、フリーストーンLAは、手放すことに。
ロッホモアSLAって、番手が大きくてもそんなに重くないんですね。2サイズ上の7/8でも、125gしかありません。こんなに軽いのに、スプール径は103mm。でかっ。
これを選んでみても、おもしろかったかな。バランス的には奇異ですけど。
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