日向川で監視員に遭遇し油流出について知る

長かったシルバーウィークも明日で終わり。今シーズン、渓流に行けるのも、今日明日と土日の4日間を残すのみです。

日向川(にっこうがわ)

月光川と日向川

せっかくの連休なので、ちょっと遠出して山形県酒田市の日向川に行ってみることにしました。

日向川は『にっこうがわ』と読みます。山形に来た当初はこの読み方を知らず、『ひゅうががわ』か『ひなたがわ』だと思っていました(笑)。隣を流れる月光川(がっこうがわ)に対して命名されたそうなんですが、それなら日光川の方が分かりやすいですよね。

月光川、その南東に位置する日向川とも、鳥海山を源とし日本海へ注ぎます。ちなみに鮭川方面から国道344号線沿いを流れる荒瀬川は日向川の支流になります。

予定変更

日向川に入るのは今日が初めて。中流部のヤマメも面白そうだったんですが、イワナ狙いで上流部に入ってみようと思います。

玉簾の滝(たますだれのたき)近くの集落から林道に入り、女郎沢という支流を目指し車を走らせていると、途中、吊り橋のたもとへ降りられる細い道が見えてきました。

車から降りて覗いてみると、そこは、ちょっとした広場になっていて、その先に日向川本流のチャラ瀬が見えます。十分な駐車スペースがあって、入渓も容易なのに、車が1台も止まっていません。予定の入渓ポイントより、だいぶ下になりますが、せっかくなので入ってみることに。

なんか変だなぁ

吊り橋の下は広いチャラ瀬になっています。渓相はいいし、水も豊富。休日の午前10時なのに先行者もいないっぽいです。

吊り橋の下
下流側に、よさそうなポイントを見つけたので、ちょっと下ってから釣り始めてみます。

手始めに、ドライ向きの一級ポイントを丁寧に探ってみましたが反応がありません。というか、魚の気配がまったく無いです

先行者の足跡も無いし、なんか変だなぁと思いつつ、釣り上がっていくと。

今日の一匹目
しばらく上ったところで、やっと出ました。今日の一匹目。まあまあサイズのイワナです。大きめの落ち込みのど真ん中を流したら、底の方から飛びついてきました。

増水気味の日向川
堰堤まで釣りあがって、イワナ3匹のみ。増水気味でドライでは釣りづらかったせいもありますが、川の規模にしては、ちょっと寂しい結果になりました。

監視員に遭遇

堰堤脇から出渓し、とぼとぼ歩いていると、後ろからパジェロミニに乗ったおじさんが声をかけてきました。

『釣れたか?』

地元の釣り人かと思い、適当にあしらおうとしたところ、車のナンバーや止めた場所について聞いてくるではないですか。要するに、漁協の監視員です。久しぶりに出会ったので、その存在すら忘れかけていました(笑)。

釣れない理由

私がイワナを3匹釣ったことを伝えると、ちょっと驚いた様子。と言うのも、あまり釣れないので、地元の人は滅多に入らない区間なんだそうです。

なぜ釣れないのか、逆に聞いてみると。

『上ってくる途中、左側に沢が見えたろ? 震災の時、あの上で土砂崩れがあってよ。雨が降ると油が浮いてくる。』

そう言えば、途中、右岸に沢があって、釣れ始めたのはその上からでした。たまに流れてくる油のせいで川虫が育たなく、イワナが定着できないのかもしれません。

帰ってから、当時の新聞を見てみると、2011年12月に日向川支流の鹿ノ俣川付近で大規模な崩落があって油が流出し、本流にも流れ込んでいるとあります。むき出しになった地層から原油が染み出てきたようですが、過去の採掘に起因するものなのか、それとも、まったく自然なものなのか、手元の資料だけでは分かりませんでした。

興味深い話

この監視員から、もう一つ興味深い話を聞きました。

それはイワナの成魚放流。日向荒瀬漁協のほか、地元の釣具店などが協賛して、上流部にかなりの数を放すんだそうです。

放流、ましてや成魚となると、油の被害がよっぽど深刻なんでしょうか。

成魚放流というと、釣れたときの有り難味も薄れるし、なにより、魚の育ちにくい生産性の低い川という印象を受けてしまいます。

ちなみに、山形県内陸部にある私のホームリバーでは、ここ何年もイワナの放流自体を行っていません。それでも普通に釣れますし、そこそこ大きいのもいます。

日向川の渓相
午後、試しに最初の予定地だった女郎沢付近から入ってみましたが、釣果はゼロ。下の方と違って、先行者がいたせいもあるんでしょうが、ほとんど魚影を確認できませんでした。渓相は抜群なんだけどなぁ。

とは言え、鳥海山のポテンシャルがこんな程度であるはずがありません。今回はちょっと寒かったせいもあるかもしれないので、来年はもう少し温かい時期に来てみようかと思います。

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