オスとメスの見分け方、アメマスとニッコウイワナの違い。そんなイワナの雑学を知るために購入した本の中から、選りすぐりの3冊を紹介します。
厳選3冊
イワナその生態と釣り
長野県の水産試験場の方が書いた本です。アングラーズ・サイエンスというシリーズもので、他にヤマメ、アユ、海釣り編があるようです。釣り版のブルーバックスといったところでしょうか。
前半でイワナの分類などが分かりやすく解説されています。後半は河川の分類法など、かなり専門的な話になりますが、一般向けに平易な文章でかかれているので読みづらいということはありません。
26年も前の本ですが、今でも十分通用する内容だと思います。居付きイワナの色、サビと婚姻色の謎が溶けたのもこの本のおかげです。
イワナをもっと増やしたい!
水産総合研究センター(水産庁所管)の方が書いた本です。イワナその生態と釣りとかぶるところが多いですが、題名からも分かる通り、イワナの保護・増殖に重きが置かれています。
放流に頼らずに、僅かに残る天然魚をいかに増やしていくかが論じられ、そのための人工産卵床の造成方法が詳しく解説されています。聞き取り調査で天然魚の生息域を推定する方法が興味深いです。
昭和のむちゃくちゃな放流と河川開発が悔やまれ、かなりシュンとする内容です。個性豊かな日本の渓魚を未来に繋いでいくために何ができるのか。釣り人だけじゃなく漁協も行政も、もっと勉強しろということですな。
イワナの顔
オールカラーの写真が圧巻です。イワナの写真集と言ってもいいほどです。写真の総数は500枚近くあるんじゃないかと思います。著者はあの白石勝彦氏。
前半では、全国各地を釣り歩いて撮り集めたイワナの写真がタイプ、河川毎に紹介されています。
後半は釣行記です。この中に奥羽山脈にいる頭部に虫食い模様のあるゴギのようなアメマスについての話があり、岩手にいた頃よく釣ったのがこのタイプだったことを思い出しました。当時はただイワナとしてしか見ていなかったんですけどね。
厳選は言い過ぎ
タイトルで厳選と書いたのは、ちょっと大げさだったかもしれません。というのも、この3冊以外に選択肢がほとんど無いからです。
古すぎる本は分類に拘りすぎていてお勧めできないし、最近改定されたサケマス・イワナのわかる本でもイワナについては5ページくらいしか割いていません。最新の情報を知りたいんであれば、学術論文でも読んでみるしかなさそうです。
釣り人の疑問に専門家が答えるQ&A集みたいな本があれば、そこそこ売れると思うんだけど。つり人社あたりで出してくれないかな。アングラーズ・サイエンスみたいにシリーズ化してもいいし。
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