虫が怖くて釣りができるか? なんて言っていたのも去年まで。
マダニのSFTSウイルスによる死者が23人にもなったと聞いて、ちょっとビビッています。
マダニとSFTSウイルスの関係
SFTSウイルスとは
SFTSは severe fever with thrombocytopenia syndrome の略。日本語だと重症熱性血小板減少症候群。
簡単に言うと、熱が出て、血小板が減り、血が止まりにくくなるということ。他にも、下痢、嘔吐など消化器系の症状もあります。潜伏期間は1~2週間。有効な治療法やワクチンはなく、致死率は10~30%にもなるらしいです。
マダニが媒介
SFTSウイルスを持つマダニに咬まれることで感染します。でも、すべての人が発症するとは限らないみたい。
中国で発見
このウイルス。中国の内陸部で流行していたのを、2011年、中国人自らが捕まえて命名したらしいです。
日本での発生状況
2012年秋、山口県で日本で最初の感染が確認されました。その後も西日本を中心に感染の報告が相次ぎ、確認されている死亡者は23名にもなります(2014年5月時点)。
今回日本で見つかったSFTSウイルスは中国のものとはちょっと違っているみたいで、最近中国から入ってきたものではなく、昔から日本に居たものだといわれています。
元をたどれば起源は同じなんでしょうけど。
日本全国に
厚生労働省が行った最近の調査によると、SFTSウイルスを持ったマダニは西日本だけでなく日本全国にいると考えられるそうです。断定できないのは大々的な調査をしていないから。
こういうところにもっと税金をつかってほしいなぁ。
まあ、かなり前から日本にいるそうだから、日本全国に生息しているのは間違いないでしょう。マダニのSFTSウイルス保有率は種類によっても違いますが、およそ5~10%だそう。
そもそも、マダニって?
ダニというと布団などにいる小さなダニを思い浮かべますが、マダニは屋内にはいません。大きさも成ダニで3~4mmにもなり、普通のダニ(1mm以下)よりかなり大きいです。
By Andre Karwath aka Aka (投稿者自身による作品) [CC-BY-SA-2.5 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5)], via Wikimedia Commons
生息場所
マダニは森林、田んぼのあぜ道、畑などにいます。雑草などの葉っぱの上の方に集まって、動物の発する体温や二酸化炭素、振動などを察知すると飛びかかり血を吸います。
ライフサイクル
卵→幼ダニ→若ダニ→成ダニ→産卵というライフサイクルを繰り返します。
生涯で3回、→(赤い矢印)のところで吸血します。
成ダニがSFTSV陽性であっても、その卵から生まれた幼ダニは陰性なのでは?と思ったんですが、残念ながら陽性になるそうです。経卵性伝播というみたい。人でいうと母子感染。
大きさは種類によっても違いますが、幼ダニが1mm前後、若ダニが1.5mm前後、成ダニが3~4mmくらいです。
マダニの種類
ダニは昆虫ではありません。クモの仲間です。このうちマダニと呼ばれるのはダニ目マダニ亜目マダニ科に属するもので、世界では約800種、日本では47種が知られています。
この中でSFTSウイルスを保有していることが確認されているのは数種。フタトゲチマダニをはじめとするチマダニ属に多いそうです。
渓流で危ないのは
ただっ広い川原を歩いたり川通しする分には刺されることはないでしょう。危ないのは藪です。川に降りるときと川から上がるとき、あと高巻きは要注意。
頭上から降ってくることも
ウェーダーを履いているのであれば下半身は心配ないでしょう。問題なのは上半身です。草丈が高いと頭上からマダニが降ってくることがあります(経験談)。
マダニ対策
肌の露出を最小限にすることが基本。蚊や虻、ツツガムシなど、他の虫対策と同じです。
服装
帽子をかぶり長袖シャツを着ることはもちろん、できれば襟から中に侵入されないよう首に手ぬぐいを巻いておくといいかも。汗拭きにもなるし。
川の様子を見に行くときも半ズボンやサンダルはやめたほうが無難。
虫除けスプレー
最近はマダニにも効くという虫除けスプレー(忌避剤)がいろいろ売られていますが、マダニと書いていなくてもDEET(ディート)が入っていればある程度は効くようです。
持続時間はDEETの濃度によります。日本ではかゆみ止めで有名なムヒ(池田模範堂)のムシペールというのが12%で最高のようです。海外製品の中にはもっと高濃度のものもあります。
このDEET。人体にも有害ですので家に帰ったらよく洗い流しましょう。
マダニ除けにペット用のフロントラインスプレー(駆除剤)を使う人がいるって話を聞くけど、どうなんだろう? 忌避効果もあるんでしょうかね。
(気分的に)ケミカルアレルギーぎみの私はヒバ油やハッカ油で自作していますが効果は不明です。
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