あまりタイイングをするほうではないんで、いざフライを巻こうとしても、なかなか手順を思い出せないことが多いです。
その都度、本やら雑誌やらをひっくり返すのも癪なんで、ベーシックフライのタイイング手順をまとめてみることにしました。
第一弾に選んだのは日本で最も有名なドライフライ、エルクヘア・カディス。
沈みにくい軽量エルクヘア・カディス
タイイング手順
8年ぶりくらいに巻いてみました。細かいコツはいろんなタイヤーからのいいとこ取りです。
使用マテリアル
フック | VARIVAS 2110 FEATHER LIGHT DRY #12 |
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スレッド | TMC 16/0(ライトケイヒル) |
ボディ | スーパーファインダビング(ライトケイヒル) |
ハックル | コックハックル(ブラウン) |
ウイング | ブルエルク(ナチュラル) |
適用サイズは10番から20番くらいまで。フックはTMC100が基本です。今回はバリバスの4X FINEの12番を使ってみました。
下巻きからダビングまで
1、下巻き。スレッドを切らずに残しておく。ちょっと長めに。
2、ハックルはファイバーの長さがゲイプと同じくらいのものを裏を上にして巻きとめる。根元を爪で折り曲げて立てておく。
3、ダビング開始。ハックルの後ろ(左側)を2回巻いてから前を巻く。
4、アイの手前に隙間を空けておく。ぎりぎりまで巻いてしまうと、エルクヘアでアイがふさがってしまう。
ハックルを巻く
5、ハックリング。最初の一回はシャンクに垂直に、あとは1mmくらいの間隔で巻いていく。最後にスレッドで巻きとめる。
6、ハックルの補強。1で残しておいたスレッドをなるべくハックルをつぶさないようにアイまで巻く。ボビン側のスレッドで固定。
7、この段階で、一度、ハーフヒッチ。
8、上側のハックルの根元に瞬間接着剤を軽く塗って補強。指でならしV字に。
ウイングの取り付け
9、エルクヘアが多すぎると重くなり沈みやすくなる。25~30本くらいが目安。
10、取り付ける長さはフック全長と同じくらいか少しはみ出る程度。
11、軽く二回巻いて仮止めする。
12、ゆっくり、じっくり巻き締める。力を入れすぎるとスレッドが切れてしまうので注意。
13、手でハーフヒッチして固定。
フィニッシュ
14、アイ側の根元を巻く。
15、ハーフヒッチで固定。
16、余分なエルクヘアをカット。
17、瞬間接着剤で固定。
18、スレッドを切って完成。軽量で沈みにくいです。
使わない理由
これまで、実釣でエルクヘアカディスを使うことはほとんどありませんでした。使わないので巻くこともない。
理由は、すぐ沈むからです。
今回、本やネットなどを調べていて分かったんですが、沈む原因はおそらくブリーチド(脱色)のエルクヘア。
ブリーチしてても上手く処理されていて、しっかりしたものであれば問題ないんですが、私が使っていたものは明らかに質が悪い。
10年も前に買ったのに、半分しか使っていない。
艶がなく、パサパサで折れている毛が多い。
このマテリアル。タイイングを始めた頃、バイスなどのツールといっしょに通販で購入したもの。
明らかに素人丸出しの注文内容だったんで、粗悪品を掴まされたのかもしれません。
理想のエルクヘアとは
エルクヘアはブリーチすると白くなって視認性が良くなるんですが、油分が抜けてしまうため沈みやすくなります。あと、脆くなるので折れやすい。
一方、ナチュラルは油分が残っている分、ブリーチドに比べ沈みにくいんですが、色が暗めで視認性がよくないものが多いです。
視認性が良くて沈みにくい理想のエルクヘアとは何か? それは、ずばり、明るめのナチュラルです。
ナチュラルブルエルク
エルク(ヘラジカ)の毛は、雌雄で色に違いがあるといわれています。ブルエルク(オス)の方がカウエルク(メス)よりも白っぽく明るいんだそうです。
嶋崎了さんの著書の中で、エルクヘアカディスのウイングとしてブルエルクのナチュラルを薦めていたので買ってみました。
艶があって変なクセもない。毛の上半分が、白っぽい。
しっとりしていて張りがある。触っていて気持ちいい。
実はこれ。懲りずに、また通販で購入したもの。もちろん、10年前にブリーチを買ったところとは別の店で。
でも、今回は、メールで品質を確認してから、注文したので、良いものが手に入りました。
本当は店頭で手に取って納得してから買うのがベストなんでしょうが、私みたいなマテリアル初心者は信頼できるショップに相談し選んでもらうほうがいいかもしれません。
選んでもらうんなら、通販も店頭もいっしょですね。
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